霧のかかった山から光る円盤を並べて、向こう側の山へ橋を架けようとする受験者

PMPの合否を分けるのは、20問くらいだと思っています

野村(Nick)です。

PMP試験に落ちると、180問のうちどれだけ足りなかったのかが見えないぶん、自分はまだ遠いところにいるように感じてしまいがちです。けれども、長く受講者の結果を見てきた私の実感では、合格と不合格を分けているのは、ほんの20問程度ではないかと思っています。ここでは、その数え方と、それでもなお難しい理由を書いておきます。

底は50%

最初に断っておくと、PMIは合格点を公表していないので、ここから先の数字はすべて、私の実感にもとづく目安です(合格点が公表されていないことについては、こちらの記事に書きました)。

まず、学習時間がゼロの人でも、4つの選択肢のうち2つまでは絞り込めます。これは大多数の人がそうで、だから正答率50%くらいが、この試験のいわば底になります。受験者の正答率の分布は、その50%のあたりから立ち上がり、合格ラインは65%から70%くらいにあるというのが私の見立てです。

問題を3つに分けてみる

底が50%で、合格ラインが70%前後というと、差は小さく見えます。けれども、この差を「正答率を何%上げる」と考えると、かえってわかりにくくなります。そこで、解いている問題を、手応えで3つに分けてみます。4択の問題だとして、こうなります。

  1. まるでわからない問題:2つまでは絞れるので、正答率50%
  2. だいたい正解が選べた問題:正答率70%
  3. 正解を確信している問題:正答率100%

仮に、180問がこの3つに60問ずつ分かれたとすると、当たる問題数の期待値は、30問+42問+60問で132問です。正答率にすると73%になります(ここでは簡単のため、採点されない10問も含めて180問で数えています)。

問題は、実際の試験で、この3つがそれぞれ何問ずつになるかです。3)の「確信している問題」は、ほとんど増やせません。PMP試験の問題は、ある状況を示して、今、何を、どうするか?を問うシチュエーショナル問題なので、確信を持って答えられる問題を増やすことは困難なのです。

1)の「まるでわからない問題」は、学習で減らすことができます。

そして2)の「だいたい選べた問題」が、いちばんあやしいところです。解いている本人にも、合っているという実感が十分にありません。正答率70%のつもりでいても、実際には60%かもしれないのです。先ほどの例で2)が60%だったとすると、当たるのは30問+36問+60問で126問、正答率は70%まで下がります。

それでも、やれることはあります。1)は減らせますし、2)の正答率を上げることもできます。1)を減らして2)に移し、その2)の正答率を上げていく。私は昔から、そのように考えてきました。合格と不合格の差は、ここで20問程度だと私は感じています。

ただし、これは単純な4択問題を前提にした話です。今の試験には、4択だけではなく、さまざまな出題形式が登場しています。ですから、ここに出した数字そのものではなく、一つの思考モデルとして受け取ってください。

この考え方には、少し背景があります。以前、私は「弱点発見模擬試験」という仕組みを作っていて、回答結果から受験者の弱点を分析したり、問題の品質をチェックしたりしていました。その受講者の正答率を分布にしてみると、底の50%から先に、山が2つあったのです。そして、その2つの山が、実際に合否を分けていました。1つ目の山を乗り越えたあたりが合格ラインだった、という実感があります。私からは、突き抜けた人と、突き抜けていない人、というように見えました。しかも、この2つの山は、正答率にして20%以内の幅に収まっていたのです。

ただ、これはかなり昔の話なので、今もそうなのかはわかりません。とはいえ、PMIの統計的な処理そのものは、今も変わっていないのではないかと私は推測しています。こうした分析は恐ろしく手間がかかり、負担が大きすぎたうえに、4択以外の問題も出題されるようになったので、やめてしまいました。まだ4択しか出題されていなかった頃の話です(ちなみに、もっと古くは5択の時代もあったようです)。

それだからこそ、難しい

20問程度と聞くと、近く感じるかもしれません。けれども、その20問は、本人にも合っているかどうかの実感がない、2)のあたりにあります。差がわずかであることそのものが、この試験の難しさです。

私の感覚では、正答率が70%を超えるくらいで、結果票の診断が目標を上回る「Above Target」になります。目標をやや下回る「Below Target」との差は、正答率にして10%くらいの幅だと感じています。Above Target から先は結果票では測れませんが、80%となると、かなりハードルが高くなります。23年間こんなことばかりやっている私でも、よほどコンディションがよくなければ、そこまで到達するのは難しいのです。なにしろ、この試験はメンタルを試されていますからね。このあたりは、また別の記事で書きます。

落ちたら、すぐに再受験へ

それでも、差が20問程度だと考えれば、落ちた直後でも、すぐに再受験に向かう気持ちになれると思います。私自身、2003年に落ちたあと、20日以内くらいに再受験して合格しました。

落ちたあとも、これから初めて受ける人も、やることは変わりません。全体をまんべんなく学んで1)の問題を減らしたうえで、2)の「20問程度」を取りにいくことです。練習には、無料で公開している300問を使ってください。毎週月曜15:00からの無料説明会でも、このあたりの考え方をお話ししています。


参考資料

PMPは、Project Management Institute, Inc.(PMI)の登録商標です。

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