アイデアが散らばってあふれる第7版の本と、原則と領域が整理されて流れになった第8版の本を見比べる人

PMBOKガイド第8版で、プロセスが戻ってきた——第7版との違いを3つだけ

野村(Nick)です。

PMPの勉強を始めようとしてPMBOKガイドを調べると、第7版と第8版があって、何が違うのか、どちらの解説を信じればいいのかで迷う人が多いと思います。第8版が出たのは2025年11月なので、これから手に取るのは第8版になると思いますが、第7版をもとにした解説や教材もまだたくさん出回っているので、違いを知っておくと混乱しにくくなります。違いを全部並べると長くなるので、ここでは3つだけにします。網羅はしません。網羅したい人は、本を読んでください。

1. 原則が、12から6に減った

第7版(2021年)にはプロジェクトマネジメントの原則が12ありましたが、第8版では、それが次の6つにまとめられています。

  • 全体を見る(holistic view)
  • 価値に集中する
  • 品質を組み込む
  • 説明責任をもって率いる
  • サステナビリティを組み込む
  • 権限を持ったチームをつくる

数だけを見ると半分になっていて、大事なことが抜け落ちたのではないかと心配になるかもしれませんが、PMIは、第7版の土台は残したうえで「より実行しやすく、簡潔にした」と説明しています。

2. パフォーマンス領域の名前が、昔の「知識エリア」に似てきた

第7版には8つのパフォーマンス領域がありましたが、第8版では、ガバナンス、スコープ、スケジュール、ファイナンス、ステークホルダー、資源、リスクの7つになりました。

第6版までのPMBOKガイドは、プロジェクトマネジメントの知識を「知識エリア」という区分で整理していたので、それを知っている人がこの並びを見ると、スコープ、スケジュール、ステークホルダー、資源、リスクと、見覚えのある名前が多いことに気づくはずで、コストはファイナンスという名前に変わっています。1996年版から全部読んできた私には、ちょっと懐かしい並びです。

3. プロセスが戻ってきた

第7版では、それまでのPMBOKガイドの中心にあったプロセスの考え方が本体から消え、PMI自身も「プロセスから原則へ」と説明していました。第8版では、それが戻ってきています。PMIの言葉では「進化した、規範的でない形で再導入されたプロセスのガイダンス」です。

つまり、昔のように「この入力から、この出力を作れ」と決めつける書き方ではないものの、仕事の順番や流れを説明する道具として、プロセスが帰ってきたということで、現場で教えている立場からすると、これは大きいです。

試験にはどう関係するのか

PMP試験は、PMBOKガイドだけから出題されているわけではありません。これは前の記事に書きました。

そのため、「第8版の原則を6つ暗記する」ことは、試験対策としては優先度が低いです。PMBOKガイドは、PMP Examination Content Outline(試験内容の概要:ECO)に書かれたタスクの「なぜ」を探しに行く本として使ってください。そして、覚えるのではなく、体に染み込ませることが大切です。

PMBOKガイドの読み方は、毎週月曜15:00からの無料説明会でも話しています。


参考資料

PMP、PMBOKは、Project Management Institute, Inc.(PMI)の登録商標です。

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