
PMP試験対策2025|第5回報告と次回予告(野村)
4月から始まったPMP試験対策2025、おかげさまで順調に進行しています。先日は第5回目を開催しました。今回はその内容を少しご紹介するとともに、次回の予告も添えておきます。
雑談から始まる20分──対話の価値
毎回の最初は20分ほどの雑談から始まります。ただのおしゃべりではありません。
少しフォーマルに、でも自然体で、自分の「今」や「関心のあること」を言葉にしていく時間です。
話し手が次の人を指名して、バトンのように話題が流れていく形式。
完全につながっているわけでもなく、でも確実に「何かが通っている」。そんなゆるやかな時間の中で、自分を少しだけ表に出していく。それが、安全な学びの空間をつくる準備になります。
第5回のテーマ:リスクマネジメント
今回扱ったのは「リスクマネジメント」。PMBOK®ガイドに沿いながら、実務的な観点も盛り込んで進めました。
未来予測型のプロジェクトでも、状況適用型のアジャイル的アプローチでも、リスクマネジメントは欠かせません。途中には全員でのダイアローグも交え、思考を深めていきました。
少し解説しすぎてしまったのは反省点ですが、「リスクをファシリテートする実務」について一定の手応えはありました。心理的安全性、認知バイアス、さらには弁証法まで含めた立体的な理解を目指しました。
私が強調したのは、「リスクを楽しむ」という視点です。
日本の組織では、リスクマネジメントがどうしても“暗くて後ろ向き”になりがちです。
だからこそ、弁証法的アプローチでネガティブなリスクにアンチテーゼを提示する。
そうすることで場が明るくなり、思考が前向きになります。
6版ベースがしっくりくる理由
リスクマネジメントを扱う上では、PMBOK®ガイド第6版ベースのほうが扱いやすいと感じます。
理由はシンプルで、プロセスとして扱えるからです。
How(どうやるか)を掘り下げようとするとき、プロセス型の構成は非常に有効です。
第7版ではこのあたりが分解されていて、自分で再構成する必要があります。
「リスクマネジメントと心理的安全性を結びつけよ」なんて、どこにも書いていない。
でも、そうした“再構成”こそが今求められているのかもしれません。
次回は「ECO」にフォーカスします
次回は、再び第7版の構造に戻りながら、ECO(Examination Content Outline)を取り上げます。
PMP試験を目指すすべての人にとって、ECOの理解は不可欠です。
昔は「RDS(Role Delineation Study)」と呼ばれていたこの枠組み、項目も大きく変化してきました。
この20年の変遷を振り返るだけでも、試験そのものの思想が見えてきます。
それでも一貫して、「試験定義書は常に存在していた」という点が、私には印象的です。
ですので、受講者の皆さんは——
7版の再読、そしてECOの予習をぜひ進めておいてください。予習、大事です。
対話から学ぶということ
私たちのコースでは、最初の「雑談」だけでなく、途中のダイアローグも含めて、対話を通じた学びを大切にしています。
対話の中でキーワードが自然に現れる。
それを拾い上げて、解説とつなげていく。
このプロセスが、知識の定着を深め、理解を「自分のもの」にするための核になっています。
雑談——ではなく“対話”こそが、実は一番大切なのです。
投稿者プロフィール

- 有限会社システムマネジメントアンドコントロール 取締役社長
- Nick/野村隆昌。1970年生まれ。秋田大学鉱山学部土木工学科卒。有限会社システムマネジメントアンドコントロール取締役社長。PMP、PMI-ACP。東大和市と飯能市に拠点。
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