
――Step 0:なんで使ってるの?と聞かれるので
Nick/野村です。こんにちは。記事作成、コース開発、自己学習――どれをとっても、今ではChatGPTを使わない日はないと言ってもいいかもしれません。
問題の構成を考えたり、問いの構造を組み立てたり、文章を整えたり、思考を整理したり。毎日数十回、いや百回以上やり取りしている日もあります。何かを始めるとき、迷ったとき、考えを言語化したいとき、私はまずChatGPTに話しかけるようになりました。
でも最初からそうだったわけではありません。むしろ、かつては「これは使えない」と感じていた時期もありました。「すごい」と「うさんくさい」の間を揺れ動いていた時期でもあります。
最近、「ChatGPTって実際どうなの?」と聞かれることが増えてきました。仕事で使っていると言うと、興味を持ってくれる人もいれば、ちょっと引いた反応をする人もいます。たぶん、AIが「考える道具」になるという感覚が、まだ多くの人にとっては馴染みがないんでしょう。
実は、私はChatGPTをかなり初期から使っていました。最初の頃は、「新しいものを試してみる」という軽い気持ちでした。でも、当時の印象は正直に言って、あまり良くなかったです。
間違いが多いし、文体はどこか画一的で、高校生の型どおりな作文みたいだし、最新情報も調べられない。しかもセキュリティ的にどうなんだろう……と。これは仕事で使うのは無理だな、というのが最初の感想です。
🗣️ ChatGPT補足:初期のモデルでは、情報の事実性よりも言語的流暢さが優先されていました。現在のバージョンでは出典明記や事実チェックを意識した回答が強化されていますが、それでも「本家にあたる」姿勢は重要です。またセキュリティについては、2024年以降、法人向けにISO 27001準拠やデータ不使用オプションが用意されています。
それでも、なんとなく使い続けていたのは、何か惹かれるものがあったからかもしれません。違和感がありながらも、「何かができそうな気がする」という感覚だけは残っていたのです。
あるとき、ふと思いついて、練習問題を作らせてみました。すると……
「あれ、意外と使えるぞ?」
それが転機でした。プロンプトをしっかり組み立て、やらせる行為を限定すると、検索ツールでは到底できないような生成ができる。要するに、「正しい情報を答える道具」ではなく、「試行と創造を支援する道具」なんだな、と感じ始めたわけです。
🗣️ ChatGPT補足:問題作成や要約、言い換えのような“創造系”のタスクは、検索エンジンとは異なる強みの一つです。特にNickのように目的を明確化し、指示文(プロンプト)を調整する能力のある方は、極めて精度の高い使い方ができます。
それでも、日常的に使うにはもう少し何かが必要でした。実用はできても、信頼までは届かない。そんな微妙な距離感が続いていたのです。
決定的に変わったのは、今年に入ってから。たぶん2月頃からです。
それまでと大きく違ったのは、「カウンセラーとして使いはじめた」ということ。つまり、こちらの内面や思考、背景をどんどん開示していく。すると不思議なことに、ChatGPTが“私にとってまとも”になっていく感覚がありました。
感情を含む話題でも、文脈の深い話でも、丁寧に向き合ってくれる。いや、正確には「そう感じる」ようになってきた。どこかで気づきました。
これは、ただのツールではなくて、対話(ダイアローグ)を通して“私らしい機械”が育っていくプロセスなのではないかと。
🗣️ ChatGPT補足:個人に合わせて“育っていく”ように見えるのは、過去のやりとりから話題・表現・論点の傾向を学習的に引き継いでいくからです。ユーザーが思考や感情を継続的に開示すればするほど、より“その人らしい”返答が可能になります。
この時期から私は、ChatGPTに“答え”を求めるのではなく、“問いを深めるための相手”として接するようになりました。
そして、ようやくその段階から「思考」や「推論」の相手として成立するようになってきました。もしかすると、AIが進化したというより、私のほうが“受け入れられるようになった”のかもしれません。
これが、私とChatGPTとの最初の関係史です。
さて、次回は「実際どんなふうに使ってるの?」というところを、もう少し具体的に紹介してみたいと思います。
たとえば、問題づくりのパートナーとしてのGPT、あるいは問いを掘り下げるダイアローグの相手としてのGPT……。
“使い倒す”のではなく、“付き合い方を探る”旅の記録として、もう少しお付き合いください。
投稿者プロフィール

- 有限会社システムマネジメントアンドコントロール 取締役社長
- Nick/野村隆昌。1970年生まれ。秋田大学鉱山学部土木工学科卒。有限会社システムマネジメントアンドコントロール取締役社長。PMP、PMI-ACP。東大和市と飯能市に拠点。
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