【速報】本日よりPMP®試験が新試験に!「その日」が来たので、ECO 2026の変更点をPMI公式資料で確認します

Nick/野村です。PMPを目指す皆様、勉強は進んでいますか?

さて。ついに「その日」が来ました。本日2026年7月9日、PMP®試験が新しいECO(Exam Content Outline – July 2026)に基づく新試験に切り替わりました。旧ECOでの受験は7月8日まで。今日以降に受験する方は、全員が新試験の受験者です。

以前の記事(【速報】PMBOK®ガイド第8版が登場!それでもPMP®試験が「明日から急変」しない決定的な理由)で、私はこう書きました。「試験が変わるその日まで、現行ECOが唯一の正解です」——その「その日」が、今日です。

「今持っている教材はもう使えない?」

「Business Environmentが26%って本当?何を勉強すればいいの?」

そんな不安を抱えている方のために、今回も二次情報のまとめ記事ではなく、PMI公式のECO本文と公式発表だけを根拠に、変更点を総ざらいします。


【変更点1】ドメイン比率:Business Environmentが「捨てドメイン」ではなくなった

出題領域(ドメイン)は従来どおり People/Process/Business Environment の3つ。しかし比率が大きく変わりました。

ドメイン旧ECO(2021年版)新ECO(July 2026)
People(人)42%33%
Process(プロセス)50%41%
Business Environment(ビジネス環境)8%26%

見てのとおりです。Business Environment が 8% → 26% へ、3倍以上に拡大しました。

ガバナンス、コンプライアンス、リスク、変更管理、継続的改善、外部環境変化の評価。「プロジェクトの外側」を見る力が、本格的に採点対象になったのです。旧試験の感覚で「8%なら捨てても合格できる」と考えていた方は、発想の切り替えが必要です。4問に1問がBusiness Environmentから出ます。


【変更点2】タスク構成:35タスクが26タスクに再編された

ドメイン配下のタスクも再編されました。旧ECOは People 14/Process 17/Business Environment 4 の合計35タスク。新ECOは People 8/Process 10/Business Environment 8 の合計26タスクです。

タスク数が減った分、1タスクの粒度は大きくなり、Business Environment は4→8タスクへと倍増。再編後のタスクには「Help ensure value-based delivery(価値ベースのデリバリー)」「Plan and manage finance(財務)」「Define and establish project governance(プロジェクトガバナンスの定義と確立)」などが明示的に立てられ、イネーブラーにはサステナビリティやITセキュリティへの言及も織り込まれました。

ちなみに。PMIは公式ページで「AI・サステナビリティ・ステークホルダーエンゲージメントをプロジェクトシナリオに追加した」と説明していますが、ECOのタスク文言そのものに「AI」という語は登場しません。AIは「独立した出題分野」ではなく、シナリオの中にツールとして登場する位置づけです。ここ、試験対策上は地味に重要なポイントです。

そしてもう一つ。ECOはPMIの調査報告(Maximizing Project Success)と整合しており、「スケジュール・予算・スコープを守ること」から「かけた労力と費用に見合う価値を届けること」へ、プロジェクト成功の定義そのものが広がりました(ECO p.6)。これが今回の改訂全体を貫く思想です。


【変更点3】予測型40%・アジャイル/ハイブリッド60%に

旧ECOでは「予測型がおよそ半分、アジャイル/ハイブリッドが残り半分」でした。新ECOの原文を引用します。

Approximately 40% of the items will represent predictive project management approaches, whereas the remaining 60% will be divided between adaptive/agile and hybrid management approaches.
(訳:設問のおよそ40%は予測型のプロジェクトマネジメントアプローチを、残りの60%はアダプティブ/アジャイルとハイブリッドのマネジメントアプローチを扱います。)

[Source: PMP® Examination Content Outline – July 2026, p.5]

予測型・アジャイル・ハイブリッドが特定のドメインに隔離されず、3ドメイン全体に散りばめられる点は従来どおりです。アジャイルとハイブリッドで合わせて6割。「ウォーターフォールしかやったことがない」という方は、ここが勝負所になります。


【変更点4】試験形式:240分になり、「ケース/シナリオ問題」が新設

問題数は180問(うち採点対象170問+プレテスト10問)で変わりません。ただし試験時間は240分になり、10分間の休憩が2回入ります。

注目すべきは、1回目の休憩が「ケーススタディセクションの後」とされていること。そう、「ケース/シナリオ問題」が新設され、試験の冒頭にセクションとして組み込まれました。詳細なシナリオ(図表付きの場合あり)を読み、それに基づく一連の設問に答える形式です。加えて、チャートやグラフを読み取るグラフィック問題も新設。従来からの単一選択・複数選択・ドラッグ&ドロップ等に、これらが加わります(ECO pp.17–20)。

「知識の暗記」より「状況を読んで判断する力」。試験の進化の方向は一貫しています。


【変更点5】受験資格:4段階に再編、経験の対象期間は「過去10年」に拡大

受験資格(学歴×実務経験)は4つの区分に再編されました(ECO p.13)。

学歴必要なプロジェクトリード経験
高校卒業相当60ヶ月(5年)
短期高等教育(准学士等)相当48ヶ月(4年)
学士以上36ヶ月(3年)
PMI GAC認定プログラムの学位24ヶ月(2年)

実務経験の対象期間は「申請前の過去10年以内」です。旧要件では「過去8年以内」でしたから、対象期間はむしろ2年広がりました(緩和)。PMI公式ページも、この10年ウィンドウを受験資格拡大の一環として挙げています。しばらく現場を離れていた方には、追い風の変更です。

朗報はもう一つあります。有効なCAPM®保持者は、35時間研修のうち23時間分のクレジットが認められ、追加12時間で申請できます(ECO pp.14–15)。CAPMからステップアップするルートが、制度として認められた形です。


【今後の注意】35時間研修の「ライブ講義」要件が年内に変わります

受験に必要な35時間の研修は、現時点では提供者を問わず認められます(自己学習型のオンデマンド講座も、修了時アセスメントがあればOK)。

ただしPMIは、2026年第4四半期後半から、ライブ形式(対面・オンラインのリアルタイム講義)の研修についてはATP(Authorized Training Partner)等による提供のみを適格とする変更を予告しています。オンデマンド型(eLearning)はこの制限の対象外で、引き続き任意の提供者から受講できます。ライブ研修で35時間を満たす予定の方は、講座選びの際に提供元を確認してください。


まとめ:慌てず、しかし教材は「新ECO対応」を選ぼう

PMI自身が「試験の中核となる原則やアプローチは変わっていない。すでに学習中の人はそのまま続けてよい」と明言しています。前回の記事でお伝えしたとおり、パニックになる必要はありません。そのうえで、今日からの受験者がやるべきことは3つです。

  1. 教材の「新ECO対応」を確認する:ドメイン比率(33/41/26)・タスク構成(26タスク)・新問題形式に対応しているか。特にBusiness Environmentを薄くしか扱わない旧教材は要注意です。
  2. 公式アナウンスを一次情報で確認する:ECO本文はPMI公式サイトから無料で入手できます。まとめ記事(本記事も含めて)を信じる前に、原文にあたる習慣を。
  3. Business Environmentを正面から学ぶ:26%はもう「おまけ」ではありません。ガバナンス・コンプライアンス・リスク・組織変革を学習計画の中心に据えましょう。

弊社のPMP試験対策コースも、このECO 2026とPMBOK®ガイド第8版に合わせて全面刷新した2026年版を制作中です(こちらの記事)。続報をお待ちください。

新しい試験の初日です。スタートラインに立つのは、早い者勝ちですよ。合格へのプロジェクトを、今日から始めましょう。


出典

・PMP® Certification Exam Content Outline – July 2026 / PMI(ドメイン比率 p.5、タスク・イネーブラー pp.7–12、受験資格 p.13、研修要件 pp.14–15、試験情報 p.17、問題タイプ pp.18–20)
・PMI公式サイト「What’s new in the updated PMP® exam?」(2026年7月9日閲覧)
・PMI公式ブログ「What the 2026 PMP Exam Update Says About Modern Project Leadership」(2026年4月20日付。「The updated exam launches on 9 July 2026」と明記)

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