
Nick/野村です。先日のChatGPTの「Study Mode」をPMP/CAPM試験対策に活用するという記事を書いたことから、いよいよ重い腰を上げようと思います。試験対策の提供方法をテスト的に増やしてみようと思います。
私の仕事は不要になったのか?
GenAIが、これほど急速に使えるようになると、いよいよ、トレーナーの仕事は終了ではないか、と、感じるようになりました。トレーニングという仕事が、ソフトウエア(特にGenAIを背景としたサービス)に「包み込まれる」ようになりました。言うまでも無いことですが「既存業界(あるいはサービスやプロダクト)がソフトウエアに包まれる」ことが当たり前になってきています。
こうした変化は、大分前から起きていますね。1995年あたりから、一気に広がっていると思います。カメラ、電話、音楽、出版、金融、時計、家電、最近だと自動車、などが、ソフトウエアに包み込まれました。価値創造の主戦場が、ソフトウエアに移行した、ということです。
最近だとDXと呼ばれることも多いですが、もっとも有名なフレーズは、「Software is Eating the World」でしょう。Marc Andreessen ですね(知らない人のほうが多いだろうけど、Mosaicを作った人です)。
まあ、このあたりは、プロダクトマネジメントのトレーニングと伴走をする、私のもう一つの専門の話・・・であるが故に、危機感を感じるのです。私の仕事って要らないんじゃないか?と。
たとえば練習問題を作るという仕事ですが、どう考えても、GenAIに作らせた方が、数を作る事ができます。人間が作業すると、1日にせいぜい20個が限界です。しかし、その気になれば、GenAIなら、1日に100個くらいの問題を作らせることができます。弊社のBOTは、自動的に1日3問、機械的に練習問題を生成し、提供してくれています。今日は不具合で止まっているけど。
また、学習相手、トレーナーとしての仕事も、前回の記事にように、かなりのことができるようになっています。無論、誰でもすぐに使いこなせるか、というとそんなに簡単ではないとは思います。しかし、誰でもすぐに使える日は、もうすぐそこまで来ているでしょう。
人間にしか出来ない事をプロトタイピングしていきたい
ChatGPTのようなGenAIサービスにできないことは、「身体性のあるゆらぎのある対話」と、「味のある共感(Empathy)」です。また、「わざわざ人間が相手をしてくれること」と「対話から生じる関係性」みたいなものは、人間だからできることだと思います。黙っている僅かな時間から感情を読み取り、共感していく、とかね。そういうことはGenAIはまだできない(数年後にはできそうですけど)。そんなことを考えながら、コースのデザインを修正してきています。
これから行いたいのは、「人間らしい、デリバリー」
たとえば、今更のように、35時間、1:1で、ひたすらダイアローグし続ける。開催の日程は、お互いの都合を調整して、毎回ダイアローグの結果から、トレーニングを作るようなコース。これはかなり濃厚なコースになりそうです。なにしろ1:1で、お互い35時間もダイアローグする。相当疲れるでしょうし、時間コストもかかります。
対極的なコースも準備したいですね。支払ったら即開始できる、ひたすらeLearning だけで完結するコース。GenAIの使い方とかも全部教えてしまい、完全に自分のペースでPMPを取得できてしまう、そんなコースです。
その中間には、今の標準的なコースが位置づけられるでしょう。21時間の定期的なダイアローグと、動画視聴と、その後の勉強会。自分ではベストだと思っているコースが、ちょうど中間に存在します。
楽しんでいます
この状況、私は楽しんでいます。背後には弁証法的考え方があるためです。トレーニングという業界がある。それがGenAIに飲み込まれ、一旦仕事がなくなる可能性がある。しかし、弁証法の考え方では、「世界は運動・変化・前進している」ので、運動により、また元のところに戻ってくる。しかし、「かつてと同じ世界ではなく、前進・進歩した世界に戻ってくる」のです(運動・反復するが、かつてと同じではなく、韻を踏む、と、私は説明しています)。この前進・進歩をいかに利用するか、ということなのだと思います。普段トレーニングで話していることですが、今、まさに、自分に降りかかってきていると思うと、ワクワクします。
これからじわじわと、試験対策系のメニューを増やせたらいいなぁ、と、考えています。また案内しますので、その時をお楽しみに!

投稿者プロフィール

- 有限会社システムマネジメントアンドコントロール 取締役社長
- Nick/野村隆昌。1970年生まれ。秋田大学鉱山学部土木工学科卒。有限会社システムマネジメントアンドコントロール取締役社長。PMP、PMI-ACP。東大和市と飯能市に拠点。プロジェクトマネジメントとプロダクトマネジメントのトレーニングと伴走が専門。
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