
PMP試験は「ゴール」ではなく、学びのスタートライン。
自己認識や働き方のスタイルによって、向き・不向きは確かにあります。
でも、向いていない人こそ、支えたい。そんな想いを込めて整理してみました。
──自己認識・学習スタイル・働き方に照らして
PMP(Project Management Professional)試験は、世界中で認知されているプロジェクトマネジメントの資格です。
受験資格のハードルが高いため、ある程度の経験者を対象とした資格ではありますが、私はこう考えています。
若い人こそ、PMPを目指すべきです。
たとえば、25歳前後で「プロジェクトに関わっている」「これからマネジメントを学びたい」と考えている人にとって、PMP試験の準備は、視野を広げ、視座を固めるための絶好の機会となります。
この資格は「ゴール」ではなく、むしろ「スタートライン」です。PMPは、学びの入り口であり、自分の思考や判断を言語化し、構造化するための道具となります。
とはいえ、すべての人にとって学びやすいものではありません。試験という形式に苦手意識を持っている方も少なくないでしょう。この記事では、PMP試験に「向いている人」「向いていない人(けれど救いたい人)」について、自己認識・学習スタイル・働き方という観点から整理してみたいと思います。
向いている人
1. 体系的に学ぶのが好きな人
PMP試験は、PMBOKガイドを中心とした「理論と体系」がベースです。
✅ 学問的に学ぶのが好きな人
✅ ロジカルに整理するのが得意な人
✅ 図やフレームワークを見ると「なるほど」と思える人
こうした方は、PMPとの相性が抜群です。枠組みを理解し、実務と結びつける思考プロセスそのものが、すでにPMP的だと言えます。
2. 曖昧さを整理したいと思っている人
✅ 何のために開いている会議なんだろ?と感じている
✅ 作れと言われて作った計画が放置されている
✅ チーム、個人の役割分担がモヤモヤしている
こうした状況に日々モヤモヤしている人にとって、PMPの体系は「言語化と整理」の強力な味方です。これまで感覚的だったことを言葉にし、説明できるようになること。それが、現場での信頼にもつながります。
3. 自分を客観的に内省し変容したいと思っている人
✅ なぜ、あの時あの選択をしたのか?
✅ どうして、うまくいかなかったのか?
こうした問いに向き合い、自分を内側から見直そうとしている人にとって、PMPは大きな発見のきっかけになります。PMPの学びは、「状況に応じた判断力」を鍛えるプロセスです。
自分の思考の癖や行動パターンに気づき、他者との対話の中で変化していく準備ができている方にとって、PMPは確実に“視座を上げる”ためのツールになるはずです。
向いていない人(けれど、救いたい人)
1. “実務こそすべて”と思っている人
ある会社で、堂々と「知識や座学は意味がない」と言い放った部長がいました。実務だけが大事だ、というようなことを言いたいようでした。もうね、「???」と。知識を否定?では、いったい何に基づいてマネジメントするのでしょう?
そもそも、知識とは情報を元に経験した結果です。その結果をさらに議論し情報にしていきます。知識を否定すると、経験を否定することになります。また、この部長の場合、知識と情報を言い間違えた可能性も否定できません。ですが、それでも、情報に基づかない実務や、経験からえられた情報も否定する実務などありえないでしょう。
「知識は要らない」というのは、極端に言えば「猿になれ」と言っているようなものです。
私はその部長と二度と会うことはありませんでしたが、本当に部下が可哀想だと感じました。
たしかに、資格だけではプロジェクトは動きません。しかし、PMPで学ぶ内容は、現場の実践を支える「共通言語」であり、他者と協働する際の思考フレームでもあります。
「現場を変えたい」と思ったときこそ、体系的な学びが武器になるのです。
そして、もし「実務さえあればいい」と本気で思っているとすれば、それは変化を拒む態度、自己変容の機会を閉ざしているということかもしれません。自己変容とは変化すること、つまり、学ぶということです。それを閉ざして現代社会をどうやって生き抜けるでしょうか?
私は、そういう人にこそ、新しい視座を手渡したいと思っています。
2. 学習のリズムが作りにくい人
集中しようとしても、集中を妨げるものに囲まれている人。まずはそこに気づくことから始めましょう。
「学習できない」のではなく、「学習に集中できない環境がある」のです。私の講座では、動画教材とダイアローグ形式のzoom授業を組み合わせて、「学習のリズム」を自然に育てていきます。
集中できない方こそ、伴走型の支援を活用してください。毎週勉強会を開催しています。
3. 正解がある勉強しかしてこなかった人
PMP試験では、唯一の正解がない問題が多く出題されます。
複数の選択肢の中から「最も適切なもの」を選ぶというスタイルに戸惑う方もいるでしょう。でも、それこそがPMP試験の核心です。
「わからない」を恐れず、「見えないものに向き合う力」を育てる。これが、現代のプロジェクトマネジメントに求められる資質だと私は思います。
最後に
PMPは、世界共通の“対話の入り口”になる資格です。そして、それは“終わり”ではありません。
PMPは、スタートラインであり、学びの入り口です。
自己認識を深め、視座を広げ、より良い問いを持つためのきっかけ。
それがPMPの本質だと、私は信じています。
そして、「向いていないかも」と感じた人こそ、私は一緒に学び、支えたいと思っています。
投稿者プロフィール

- 有限会社システムマネジメントアンドコントロール 取締役社長
- Nick/野村隆昌。1970年生まれ。秋田大学鉱山学部土木工学科卒。有限会社システムマネジメントアンドコントロール取締役社長。PMP、PMI-ACP。東大和市と飯能市に拠点。
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