それに対し、状況適応型(ソフトウエア業界ではアジャイルと呼ばれる)では、小さな仕事を、小さなチームで、反復によって完成させていきます。これは、予測が困難な状況に適しています。詳細な設計ができないような時に最適です。1990年代からじわじわと目立つようになってきました。しかし、このような仕事の仕方は、最近始まったものではなく、やはりかなり以前から行われていました。例えば、大工が家を建てる時、全体を大まかに作ってから、細部を施主と話し合いながら、詰めていきます。もちろん、基礎を打つ時には全体のおおまかな構造は決定されている必要がありますが、細部はあとからじっくり決めることもできます。コストをケチらなければ、細部のやりなおしも可能でしょう。最初から決まっていない領域を、小規模に反復しながら施主が決めていくのは、状況適応型と言えます(大工の仕事全体はハイブリッド型と言えますね)。
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