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PMP試験対策:逆リーダーシップから考えるリーダーシップ【PMP試験対策&事業開発メールマガジン521号】

さんこんにちは。

 野村です。新たな勉強会を立ち上げました。「ドクター最上のリーダーシップ勉強会」(略して、もがべん)です。この勉強会は、これからリーダーになる人と、リーダーを育てる人向け、です。今後、オープンにイベントを開催していきます。概ね月に一度を予定しています。イベント申込はこちらから行います。

 これで、私が主催する勉強会は、3つ、となりました。
  • これまでの受講生向け勉強会「羽鳥会」
  • 試験対策系を受講された方のための「PMPを目指す人のための勉強会」
  • 今回の「ドクター最上のリーダーシップ勉強会」
です。

●第一回「うまくいかない状況を知る」

 リーダーシップって、どんなものだろう?と、考える上で、一つ大切なことがあります。それは、リーダーシップを【無】にしてしまう状況があります。今回のメールのタイトルに「逆リーダーシップ」と書いているものが、それ、です。
 この記事を書く前に、リーダーシップの対義語について調べてみましたが、適切なものがありませんでした。立場的な対義語は「フォロワーシップ」ですが、それはちょっと違う話となります。

 実のところ、リーダーシップを確実に損なう関係性、というものが、あります。それは、
  • 一方的
  • 無関心
  • 他人事
です。これを、モノローグ、と、呼びます。これから、リーダーシップについて修行を始める前に、まず、この関係性について、興味を持っておく必要があります。それを、今回の勉強会では、話題にしたいと考えています。

 厄介なのは、このモノローグは、世界中に蔓延している、ということです。そして誰もが、モノローグになります。ですが、それが有害なものだと、殆ど気付いていないのです。

 なお、モノローグな状態の反対、良い状態は、ダイアローグができている状態、です。

●具体例を見てみる

 では、ちょっと具体的に見てみましょう。こちらの記事(背景にパワハラ気質も 日野自動車、03年から20年にわたり不正 社長「3カ月めどに進退明らかに」)をざっと読んでみて下さい。典型的な、設立後結構、かなり時間の経過した、良い会社、におこる、ありがちな状態です(設立後30年経過・・・というような話は、前号、前々号でも話をしています)。

 記事を引用し考察してみましょう。

 こうした問題が起きた背景として、報告書は「みんなでクルマをつくっていないこと」「世の中の変化に取り残されていること」、さらに「業務をマネジメントする仕組みの軽視」の3点を原因として指摘した。

本当でしょうか?これを修正すれば、良くなるのでしょうか?さらに引用してみましょう。

「上意下達で上に物が言えない」

これは、典型的な【一方的】です。上から下に、一方的伝達が行われています。

「過去の成功体験の大きさゆえに、変化することや自らを客観視することができない」

 これは、【他人事】【無関心】です。【自己認識】せず、問題は私では無く周囲にある、と、考え、問題に対して【無関心】でいようとしている状態です。

「組織が縦割りで、部分最適の発想に捕らわれて全体最適を追求できていない」

 サイロ化が起きていたと考えられます。全体最適を行わなかったのは、サイロの頂点の人達(管理職〜役員)が、本来行うべき全体最適を行わなかった、つまり【他人事】【無関心】と言えます。

「上意下達の気風が強すぎて風通しの悪い組織となっている」

 管理職や役員は、上から言われたことを、そのまま下に伝えて、それを達成せよ、と、厳命するのみだったことが解ります。【一方的】です。

「目標を達成しようという強い指示が役員からあり、そういった部分では問題があったのかなと思う」
「報告書に記載した通り、(パワハラ気質が)ある程度あったと認定している。企業風土として下から上に物が言えない、上司の指示命令に対して上意下達になっていた」
「経営が現場に寄り添えず、適正なプロセスよりもスケジュールや数値目標が優先されやすい環境と仕組みになってしまった」

 【視野狭窄】が生じます。組織は、【モノローグ(一方的・無関心・他人事)】になっていきます。

▼内向きで保守的な組織風土

 これは、保守的かどうかはなんとも言えないところですが、内向きというよりは、【他人事】【無関心】だったことがうかがえます。本当に内向きであれば、【内省】が発生し、変革が起こります。

▼一人ひとりが当事者意識と一体感をもって仕事に取り組むことができない状態

 まさに、【他人事】ですね。

▼会社組織としての業務マネジメントの意識・仕組みも十分ではなかった

 会社全体として、【モノローグ】だったのでしょう・・・。

 と、こうして見てみると、最初に指摘されている原因の3点よりも、もっと深いところに、闇があることがわかります。おそらく、この会社は、日常的に、
  • 「社長は・・・と言っています。」
  • 「それは我々の問題ではないです。」
  • (知ってしまったけど)「それは知りません。」
という言葉を使って、仕事をしています。他者、他部署とのダイアローグによる関係性の構築はありません。上下の関係でも、指揮命令、報告連絡はきちんとできていても、そこにダイアローグによる関係性の構築が、無いのです。

 推測するに、各部署の上のほうの人達が、互いに、関係性を築いておらず、かつ、モノローグを、下に伝搬させています。モノローグは伝搬していくのです。

 こうした組織では、リーダーシップは生じませんし、生産性や、創造性など、発生することはありません。世の中の変化に対応していくことも、できなくなってしまうのです。

●勉強会の進め方

 講師の側からは、最小限の情報を提供します。それよりもずっと大切なことは、ダイアローグする、ということです。ダイアローグに多くの時間を割きたいと考えています。情報をいくらインプットしたところで、行動変容は起きません。この勉強会では、それぞれの人が「やってみる」という行動変容を起こすことを、狙っています。やってみろ、とは言いませんので、ご安心ください。

編集後記

 既存受講生向けに、PMBOKガイド第七版でダイアローグするイベントを実施しました。第二回は諸事情で中止となってしまいましたが、面白いので、今後も開催していきます。興味のある方は、こちらからご連絡ください。
 本メールに対する、雑談、感想、ご意見、質問など、幅広くお待ちしています。本メールに返信するか、こちらから、メッセージをお送りください。宜しくお願い致します。
 それでは次号で会いましょう!
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