野村です。ある会社では、丸一日かけて、新規事業開発ツールのトレーニングを行いました。しかし、「誰もそのツールは使っていない」のです。

今、どんな新規事業開発で、どんなツールが必要ですか?といわれれば、7冊くらいの本を紹介できます。ぶっちゃけ、ツールの類は、「本をちゃんと読む」ということで解決できます。本当にちゃんと本を読めば、殆どのことは、会得出来ます。この程度のことは、私にとっては、オカネを頂く事ができない話です。例えばBMCを説明することでは、オカネは頂けません。本を呼んで下さい。しかし、BMCを一日で10本書くことでメンバー全員が開眼する、ということを目指すのであれば、オカネを頂きます。BMCドリルは、本では学べないもの、ですからね。

そんなツールの紹介のトレーニングを発注している暇があれば、さっさと、きちんと本を読めば良いです。それより大事な事は、プロセスを組み立てること、既存の社内ルールと整合させること、です。これは、多くのケースは組織変革へとつながります。

しかし、実際問題、そうしたトレーニングを要求する人が居ます。残念ですが、それが現実です。プロセスを組み立てることもしない。組織変革は自分の仕事ではない、だからやらない・・・・って、それでは、新規事業開発は出来ないのです。

新規事業開発とは、即ち、組織改革、組織変革、組織開発です。どうしてか?組織開発というのは、従業員を顧客とした、社内事業開発なのですよ。自分の会社の新しいサービス(というよりシステム)を変革できないのに、外部の顧客向けの新しい変革なんて、提案出来るハズが無いですよね。まずは、社内を顧客に、新サービスを作るのはあたりまえなのです。

しかし、組織の理論では、「それ、うちの仕事じゃ無いから」ということを平然と言えてしまうのです。実はここに、があります。一年ほど前、これににたような経験をしました。今思えば、これは、モノローグです。本来自分が行うべき仕事を、「誰かのせい」にして「問題を先送り」しつつ、「自分の問題ではないという正当化」を行っているのです。

整理しましょう。

本来、新規事業開発とは、組織開発です。社内をターゲットとした新規事業開発です。それが出来ないと外に向けて行うなど、出来ません。ようするに、チームに変革を起こせないようでは、外への変革になんて、無理、ということです。

新規事業開発に携わる時の管理者は、ここで、モヤモヤしているようです。是非、モヤモヤせず、「内なる変革を外部に表出させるため、チームを変える」と、覚悟を決めて欲しいのです。

そういうリーダーは、ツールのトレーニングなど、要求しません。そんなことより、自分がトレーニングを作る側に回ります。しかも、コンピテンシーをどう育てるか?チームをどう育てるか?を、デザインすることになるのです。

新規事業が求められていて、それに携わるとは、組織変革を起こす、ということと同義、と、考えたほうが良いでしょう。そこがうまくいかない理由は、モノローグ、です。

そろそろ、そもそも、何故、新規事業開発なのか、という話をしたいと思います。

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